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    • 2017.01.11 Wednesday
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    20161125衆院安保委 米兵犯罪、高江オスプレイパッド建設問題について質問 (速記録) 赤嶺衆院議員

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      ○赤嶺委員

       日本共産党の赤嶺政賢です。きょうは、最初に、米軍関係者による事件、事故の被害補償の問題について質問をします。

       

       来月の二日でSACO最終報告から二十年になります。SACO最終報告には、米国政府による慰謝料の支払いが裁判所の確定判決額に満たない場合に、日本政府がその差額を支払う仕組みが盛り込まれました。SACO見舞金と呼ばれているものです。

       

       まず、防衛大臣、この仕組みがつくられた経緯について御説明いただきたいと思います。

       

       

      ○稲田国務大臣

       今委員が御指摘になったSACO最終報告の日本政府による差額の補填でございますが、これは、米軍人等による公務外の事故等における補償に関する地位協定第十八条第六項の運用改善措置の一つとして、平成八年十二月のSACO最終報告に盛り込まれたものでございます。

       

       この措置は、SACOの検討過程において、沖縄県から、日米地位協定第十八条第六項による補償について、加害者側である米軍人等が無資力であるなどの理由により、最終的に米国政府から補償を受けることとなった場合、米国政府による補償額が確定判決を下回る事例があるとの問題提起がなされたことを踏まえ、SACO最終報告において、日本政府がその差額を埋めるよう努力をする旨が盛り込まれたものであると承知をいたしております。

       

      ○赤嶺委員

       今の御説明のとおりなんですね。それで、当時アメリカの方は、そういう過去の事例は極めて少ないとまで言いながら、被害者救済の強い訴え、そういう沖縄側からの要望で入っているわけです。

       

       一点、確認しておきますが、被害者の相続人が複数人いて、そのうちの一人が加害米兵を被告として提訴し、確定判決を得た場合、提訴していない相続人の方はSACO見舞金の支給対象になりますか。

       

      ○深山政府参考人

       お答え申し上げます。先生御指摘のような場合ですと、米軍人が起こした事件等により亡くなられた被害者の相続人の一人の方が提起した事案、こうした場合において訴訟を提起していない被害者の相続人の方でありましても、ほかの相続人からの委任状を得て日米地位協定十八条六項に基づく請求を行った場合には、SACO見舞金の支給対象とさせていただいているところでございます。

       

      ○赤嶺委員

       今の答弁、提訴に伴う御遺族の方々の負担を考えた場合に、非常に大事な点だと思います。

       

       防衛省のホームページを確認してみましたが、その点についての説明はありませんでした。ぜひホームページや手続案内などへの記載を御検討いただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。

       

      ○稲田国務大臣

       御指摘の点につきましては、今までも、SACO見舞金の対象となり得る被害者等について、個別に説明は申し上げておりました。

       

       しかしながら、防衛省といたしましては、民事訴訟を提起していない被害者の相続人でもSACO見舞金の支給対象となり得ることが広く周知されるよう、御指摘のホームページ等で紹介することなどについて検討したいと考えております。

       

      ○赤嶺委員

       ぜひお願いしたいと思います。それで、SACO見舞金の今度は支給実績について伺いますが、まず、SACO最終報告以降、米軍関係者による公務外の事件、事故がどれだけ発生しているか、そのうちSACO見舞金が支給された件数と総支給額はどれだけか、これを明らかにしていただけますか。

       

      ○深山政府参考人

       お答え申し上げます。SACO最終報告が発表された平成八年度から平成二十八年度九月末までの米軍人等による公務外の事件、事故の発生件数については、交通事故、航空機事故、刑法犯等を総じてお答えいたしますと、防衛省が日米地位協定十八条六項に基づく損害賠償等業務等の関係で知り得た件数ということになりますけれども、一万九千五百五十五件となっております。

       

       防衛省としては、事件、事故のうち、損害が発生し、当事者間での示談が成立せず、日米地位協定十八条六項の規定により被害者側から補償請求を受け、かつ被害者が加害米国人等を相手に訴訟を提訴した場合、その確定判決額と米側支払い額との差額をSACO見舞金として支払ってきております。その支給件数及び支給額については、平成二十八年九月末までにおいて十三件で、合計額は約四億二千八百万円となっているところでございます。

       

      ○赤嶺委員

       SACO以降、公務外の事件、事故は一万件を超えているわけですね。それで、今、提訴して被害額を受けたというか被害額を得た被害者の方は十三件。一万件の発生と、実際に得られる十三件というものの開きというのがあるわけです。

       

       念のために聞きますが、SACO最終報告に、「米国政府による支払いが裁判所の確定判決による額に満たない過去の事例は極めて少ない。」と書かれています。米国政府による慰謝料の支払いが、確定判決の元金、要するに確定判決どおりのお金、あるいはそれ以上になったケース、これは何件ありますか。

       

      ○深山政府参考人

       日米地位協定十八条六項に基づく損害賠償に関する書類の保存期間が五年間とされておりまして、米軍人等の公務外の事件、事故で網羅的に確認できるのは平成二十三年度以降となっておりますが、このうち米軍関係者による公務外の事件、事故について、裁判に至り、確定判決額が示された事案は三件ございます。

       

       その三件のうち、日米地位協定十八条六項に基づき、米側が、米国政府が慰謝料として支払った額が裁判所の確定判決額を上回った事例、事案というのはございません。

       

       なお、二十三年度以降、加害者本人による支払い額と米国政府が慰謝料として支払った額の合計が裁判所の確定判決額と同額だった事件は一件ございます。

       

      ○赤嶺委員

       米兵犯罪の被害者遺族や、沖縄で長年その救済に当たってきた弁護士の新垣勉先生が出した「日米地位協定」というブックレットがあります。

       

       そこには、米軍関係者による四つの交通死亡事故について、損害賠償請求額のほか、確定判決額、米側の支払い額、日本政府による差額の支払い額が書かれています。いずれのケースにおいても、アメリカの支払い額は確定判決額にはるかに及びません。

       

       その四つの事例の中で、儀保さんという方の事件を一例挙げておりますが、最もひどい儀保さんのケースでは、確定判決額が七千五百九万円に対し、アメリカ側の支払い額は一千三百四十万、日本政府の支払い額が六千百六十九万円です。

       

       なぜ、確定判決額とアメリカ側の支払い額との間にこれほどまで開きがあるんですか。

       

      ○深山政府参考人

       お答え申し上げます。米国政府が被害者に提示する慰謝料の額につきましては、米国政府みずからの判断に基づいて決定していることから、確定判決額との差額、なぜ差額が出るかという理由等について私どもの方の立場として確たることを申し上げることは困難でございます。

       

       いずれにいたしましても、防衛省としては、SACO見舞金の支給を含め、被害者の方々が適正な補償を受けられるよう努力してまいりたいと考えております。

       

      ○赤嶺委員

       米側がどんな基準で補償額を示していて、確定判決額との間の開きがあるか、それはわからないが、いずれにしても、一生懸命やると言ってみても、被害者の救済はできないんですよ。

       

       同じ事故を取り扱いながら、これほどまでに金額に開きが出ている。これまでに、アメリカ側の算定基準が日本側に示されたことはないんですか。

       

      ○深山政府参考人

       お答え申し上げます。米国政府が支払う慰謝料の額は、先ほど申しましたように、米国みずからの判断で決定したものと承知しておりますが、その算定基準等が日本側に示されたことはないと承知しております。

       

       一方、私どもが算定いたします際には、防衛省において、被害者側からの補償請求を受けまして、内容を審査し、その結果を米国政府に送付しておるところでございまして、米国政府もそうした内容は理解しているのではないかと考え得るところでございます。

       

      ○赤嶺委員

       理解の上で少なくしているというぐあいになったら、これは確信犯になってくるわけですよね。

       

       それで、一点確認をいたしますが、そもそも、米軍兵士の特性として、日本に駐留しているのは一時的で、上官からの命令で、随時、国外に異動する立場にあります。また、いわば体一つで日本に派遣されていることから、日本国内に十分な資産を持っていません。

       

       一般的に、米軍兵士にはこうした特性があると思いますが、この点についての政府の認識はいかがですか。

       

      ○深山政府参考人

       制度の趣旨に関するお尋ねと承りましたが、日米地位協定十八条六項の規定に基づけば、公務外の事案については、加害者たる米軍人等に支払い能力がない等の理由によって当事者間で示談解決が困難な場合、米国政府において補償金の額を決定し、被害者側に対し示談書を提示した上、その同意を得て支払うという仕組みになっておるわけです。

       

       このように、米軍人等が公務外で不法行為を行った場合であっても加害者に支払い能力がない場合に米国政府が補償を行うこととしておりますのは、米軍人等が頻繁に異動すること等によって被害者が救済される機会を逃すような事態を避けるためであると認識しております。

       

      ○赤嶺委員

       頻繁に異動したり、資産を持っていない、体一つで駐留しているというのがあるわけですね。そうした米軍兵士の特性からいって、加害米兵に損害賠償を求めても、そのための資産を持っていなかったり、裁判中に本国へ帰ってしまい、被害補償が十分になされないという実態があります。

       

       政府は、公務外の事件、事故の被害補償は示談が基本だとしていますが、そもそも、加害米兵の個人責任を追及するための基盤が成立していないということではありませんか。大臣、いかがですか。

       

      ○深山政府参考人

       先ほど制度の趣旨につきまして私どもの知るところを申し上げたわけでございますが、先生から基盤がないということはないかという御指摘もございましたが、先ほど申しましたように、米軍人が頻繁に異動する等の事実は、それはそのとおりであると思っております。

       

       今のこのような制度がありますのは、ちょっと繰り返しになりますけれども、そうした中にあっても被害者等の方が救済されることを担保するためということであろうと認識しておるところでございます。

       

      ○赤嶺委員

       いや、ですから、公務外の場合は加害者との示談というのが基本なんですよ。その加害者に示談を求める、あるいは示談が成立する基盤がないのではないかということを言っているわけです。

       

       それで、外務大臣、お伺いいたしますけれども、被害者や御遺族が、加害米兵から被害補償を受けることができずに、泣き寝入りを余儀なくされる現状は改めなければなりません。

       

       公務外の被害について、加害米兵の個人責任の問題としている現行日米地位協定を改正して、米軍を駐留させている日米両政府が被害補償に責任を持つ制度に変える必要があるのではありませんか。

       

      ○岸田国務大臣

       先ほど来やりとりをしていただきましたように、公務外の米軍人の作為、不作為によって生ずる請求権について、まずは、基本的に、地位協定十八条6があったわけですが、平成八年のSACO最終報告によって、御質問がありました見舞金に加えて、無利子融資制度、そして前払い制度、こういった制度が設けられた。これが現状であります。

       

       その現状に対して、さらにこの改定を求めるべきではないか、こういった御質問かと思いますが、今の現状についてさまざまな意見がある、これはもう当然承知をしておりますが、政府としましては、この地位協定について、手当てすべき事項の性格に応じて、効果的に、そしてさらには機敏に対応できる最適な取り組みを考えていかなければならないと考えます。

       

       一つ一つ具体的な問題に今日まで対応してきたわけですが、今後も、こうした問題意識に基づいて、具体的な対応、すなわち効果的で機敏な対応について、しっかりと検討していきたいと考えます。

       

      ○赤嶺委員

       外務大臣、効果的に機敏に対応してきたという認識で、しかし、公務外の米兵による被害者が、圧倒的多数が泣き寝入りしているという現状が何も変わっていないわけです。ですから、今のように、加害兵士に示談を求めても、それが成立する基盤がない、アメリカ政府が出てこざるを得ない、そういうことであれば、公務中の米兵等の事件と同じように、 公務外の米兵の事件についても、日米両政府が責任を持つべきだと、泣き寝入りする人が一人もいない、こういう状態をつくる責任が外務大臣にもあるということを強く申し述べておきたいと思います。

       

       事件、事故、犯罪は公務外の方が圧倒的に多いんですよね。そのことも強く申し上げておきたいと思います。

       

       次に、やっと加害者の米兵を見つけて示談に至ります。そこまで来るのも大変なんですよ。相手は基地の中ですからね。

      今度は示談の文言について伺いますが、被害者や御遺族が慰謝料を受け取る際に、米国政府から防衛省を通じて署名を求める示談書には、米国政府に加え、示談の当事者でない日本政府や加害米兵を免責するようにということが書かれています。

       

       これに対して、神奈川県内の米兵犯罪被害の救済に携わってこられた弁護士の方々が、示談書の文書の修正を繰り返し求め、日本政府を免責する文言については外されました。

       

       防衛省に確認をいたしますが、今後、米国政府が米兵犯罪被害者に対して慰謝料を支払う際に提示される示談書には、日本政府を免責する文言は入らない書式になったという理解でよろしいでしょうか。

       

      ○深山政府参考人

       お答え申し上げます。

       地位協定十八条第六項に基づき、日本政府が公務外の事案に係る補償金の支払いを行う際、請求者に対し提示する示談書については、米国政府が当該補償金の支払いを行うかわりに、米国政府や加害者たる米軍人に加え、かつては日本政府を免責する旨の文言が記載されておりました。

       

       このうち、日本政府を免責する旨の文言につきましては、日本政府としてその必要がないと判断をいたしまして、平成二十七年七月以降に作成された示談書からは削除されておるところでございます。

       

      ○赤嶺委員

       つい最近まで、関係のない日本政府まで免責ということにサインをしなければ見舞金をもらえなかったわけですね。

       

       しかし、問題が残ります。米兵犯罪に巻き込まれ、家族の命を奪われた御遺族の怒りと無念、これは本当に察するに余りあります。その心情からすれば、加害米兵を免責することなどできるはずがないんですね。しかも、加害米兵にかわって米

      国政府が支払う慰謝料は、確定判決額にはるかに及びません。

       

       なぜ、慰謝料の受け取りに当たって加害米兵を免責しなければいけないんですか。大臣、いかがですか。

       

      ○稲田国務大臣

       御指摘の免責条項については、これまでも米側と協議してきましたが、米側は、米国政府が支払いを行う根拠である外国人請求法第二千七百三十五条に基づけば、事件に係る請求に米側が応じる場合、その解決は最終的かつ決定的なものとされており、被害者が米国政府による支払いを受領することにより、米国政府及び被用者が免責されることを明らかにする必要があることから、同免責条項上できないとの立場をとっております。

       

       一方、防衛省といたしましては、今委員御指摘の被害者やその御家族の心情への配慮が必要と考えており、こうした条項の文言について修正等を米側に働きかけるなど、適切に対応してまいりたいと考えております。

       

      ○赤嶺委員

       今のは、外国や加害米兵の免責条項を示談書の中からなくするよう米側に求めていくという答弁ですね。

       

      ○稲田国務大臣

       繰り返しになりますけれども、米側が請求に応じる条件として、その解決が最終的、決定的なものである必要があると外国人請求法に書かれておりますので、そのこと自体は明確にすることは必要でありますが、一方、被害者の遺族等の心情を考えますと、加害者を永久に免責するかのようなそういった文言については、委員も御指摘のとおり、被害者やその御家族の心情への配慮が必要であり、修正等を米側に働きかけるなど、適切に対応してまいりたいと考えております。

       

      ○赤嶺委員  

       日本政府の側の態度は今わかりました。働きかけてぜひ実現できるようにしていってほしいと思うんですよね。

       

       何で加害米兵を許さなきゃいけないのか。許すんだったら、米国政府は判決どおりに満額よこせというのは、これは被害者の当然の心情でしょう。

       

       だから、そういうようなことで交渉が滞っている事例もたくさんあります。私は、ぜひこれは、本当に国民を守るというか、国民の心情の方に心を寄せるという立場に立てば、直ちにやるべきだ、直ちに交渉に移っていただきたいと思います。いかがですか。

       

      ○稲田国務大臣

       害者の御家族の気持ちを考えますと、法的な点はともかくも、加害者を永久に免責するというのは非常に表現としても配慮が足りないと考えますので、直ちに修正等を米側に働きかけるなど、適切に対応してまいりたいと考えております。

       

      ○赤嶺委員

       稲田大臣と初めて一致したかもしれませんが、それはそれとしてぜひお願いしたい。

       

       法律上のいろいろなやりとりもありますが、それは米国政府相手のもので、米兵、兵士を相手にしたものではありませんから、これはきちんと、引き続き、この点はどうなったかということを委員会等でも確認していきたいと思います。

       

       次に、政府が東村高江区周辺で推し進めている米軍オスプレイパッド建設について質問をいたします。

       

       初めに、北部訓練場の形成過程について防衛大臣に伺います。

       

       米軍が北部訓練場の使用を開始したのは、今から六十年近く前の一九五七年のことです。

       

       当時、沖縄は、一九五二年のサンフランシスコ講和条約第三条によって奄美、小笠原とともに本土から切り離され、アメリカの施政権下に置かれていました。まさに日本国憲法が適用されない、全くの無権利状態、虫けら以下の、人権が無視されていた時代の無権利状態のときに、米軍からの一方的な通告によって接収されたのが北部訓練場であります。

       

       防衛大臣は、北部訓練場の形成過程についてどのように認識されていますか。

       

      ○稲田国務大臣

       政府としましては、沖縄県が戦後も長らく我が国の施政権の外に置かれ、北部訓練場については、米国の施政下において設置されたものと承知をいたしております。

       

       このため、北部訓練場の形成過程について、防衛省としてその詳細を把握しているわけではありませんが、昭和三十二年に北部海兵隊訓練場として使用を開始されたものと承知をしており、その際、米軍による強制的な接収が行われたという話があることも聞いております。その後、昭和四十七年、本土復帰に伴い、北部訓練場として提供開始されました。

       

       戦後七十一年を経て、なお沖縄県に大きな基地負担を負っていただいていることを重く受けとめており、このような現状は是認できるものではありません。負担軽減を図ることは政府の大きな責任です。一つ一つしっかりと改善していきます。

       

       北部訓練場の過半約四千ヘクタールの返還は、沖縄県内の米軍施設の約二割、本土復帰後最大の返還です。返還に関する日米合意から既に二十年、いまだ返還は実現しておらず、もはや先送りは許されません。

       

       地元の国頭村や東村からは、国立公園の指定、世界自然遺産への登録を目指すとして、早期返還の要望を受けており、防衛省としては、年内返還の実現に向けて移設工事を着実に進めてまいります。

       

      ○赤嶺委員

       私の立場は、移設工事を進めることがいかに間違いかというのがきょうの質問の趣旨ですので、議論していきたいと思います。

       

       私も、改めて当時の状況を調べてみました。

       

       一九五五年七月二十一日の夜のことですが、沖縄本島の北部の国頭、東、久志、金武、宜野座、名護の六町村長と中部の具志川、勝連両村長のもとに、米軍から電報が届きました。翌二十二日に米軍への出頭を求める内容でした。そこで、当時米軍が沖縄統治のために設けていた琉球列島米国民政府の軍用地係のスミス氏が、北部の山林地帯や中部の海岸地帯など合計一万二千エーカーの新規土地接収を通告いたしました。米国が示した地図を見ますと、北部訓練場やキャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンなど、現在の沖縄本島北部の米軍基地の原型が見てとれます。

       

       当時アメリカは、東西対決が激化するもとで、日本、韓国、台湾、東南アジアなどと次々に軍事同盟を結ぶとともに、沖縄の米軍基地をアジア戦略上のかなめ石、我々は、子供の時代によく米兵が学校に来て、極東のキーストーン、誇り持てなどと言われたものですよ。そういうかなめ石に位置づけ、恒久的な米軍基地の建設を推し進めようとしていました。

       

       普天間基地やキャンプ瑞慶覧がある宜野湾市の伊佐浜や伊江島補助飛行場がある伊江村では、米軍基地拡張のための銃剣とブルドーザーによる強権的な土地の取り上げが起こっていた。米軍の土地取り上げに沖縄じゅうが恐怖に震えていた時代でした。測量している人を見ると、また米軍の新たな土地接収が始まるんじゃないか、そういう恐怖の時代に、当時は、那覇市の銘苅、具志、読谷村の渡具知でも強権的な土地取り上げが行われていました。那覇市の具志というのは、私の地元でもあります。

       

       そうしたもとで、関係する町村長を一方的に呼びつけて、大規模な新規土地接収を通告したのであります。しかも、一万二千エーカーというのは民有地だけで、国有地を含めた実際の接収面積は四万二千エーカーに及ぶことが後でわかりました。

       

       国有地は講和条約によって米軍の管理下にあり、琉球住民のものではない、当時は沖縄県民と呼ばれずに琉球住民と呼ばれておりました、というのが軍側の考え方でありました。しかし、そこでの山林収入で生活していた住民にとっては、生活の手段を奪われることになりかねません。

       

       通告の経緯も内容も極めて一方的で、横暴なやり方だと思います。防衛大臣、当時の土地の接収のあり方、どのように認識を持たれますか。

       

      ○稲田国務大臣

       米軍による強制的な接収が行われたという話があることも聞いていますし、今先生がお話しになったように、地元では銃剣とブルドーザーと言われるような、そういった接収が行われたという話もあり、昭和三十二年に北部海兵隊訓練場として開始されたものと承知をしております。

       

      ○赤嶺委員

       米兵からの突然の通告にろうばいをいたします。地元の市町村は、直ちに陳情書をまとめて計画の中止を求めています。

       

       東村の陳情書にはこのように書かれています。

       七月二十二日、突然民政府から東村所在官有林接収の予告を受けたが、山林収入で生活の七〇%以上を占めている本村民にとって不安と一大脅威を与えている、この地域が接収となると村民は生活の最大の収入源を絶たれ、かわるべき収入は何物もなくただ路頭に迷うほかない。

       

       また、国頭村の陳情書にはこのように書かれています。国頭村の東海岸、安波、安田、楚州は人口千五百九十二人で、その生活を山稼ぎで支えており、山をとられたら生活の根拠を失う、これら三区だけでなく、村の存在にも大きな影響がある、年間二千八百九十万円の林産物を出しており、軍施設用材や復興建設用資材の確保や海上の保全などの点からも、山に生きる住民の気持ちを酌んで寛大な処置をしてほしいと。これはもう哀願ですよ。

       

       反対闘争をやるならやってみろと、伊江島や伊佐浜のようになりたいかというおどしをかけた上での、村人の、本当に無権利状態に置かれている人たちの哀願になるわけですね。よって立つ憲法もない、接収の中止はもうお願いする以外にない、そういう声を踏みにじってつくられたのが現在の北部訓練場であります。

       

       防衛大臣に伺いますが、今、政府は北部訓練場の過半の返還のためとして着陸帯の建設を強行していますが、そもそも、米軍による不当な土地の接収によってつくられた訓練場は無条件で返還を進めるのが当然ではないですか。そこに移設条件をつけて、かわりの着陸帯を差し出さなければ返還に応じないというSACO合意の枠組み自体が歴史を無視し、県民を愚弄するものだと思いますが、防衛大臣、いかがですか。

       

      ○深山政府参考人

       まず、私からお答え申し上げたいと思います。

       

       先生御指摘のSACO合意におきまして、北部訓練場の過半の返還が決まりました。今お話のあったような歴史的経緯は、確かにそのとおりだろうと思います。

       

       我々といたしましては、その中で、過半の返還というものは、先生のおっしゃる全面的な返還ではありませんけれども、沖縄の負担軽減に大きく資するものであるということを考え、SACO合意当時もそのような合意に至ったと承知しておりますので、我々は今それを、なかなか実現できてきませんでしたが、現在、工事を進めて、二十年前の合意でありますけれども、その実施に向けているところでございますので、我々としてはこれが沖縄の負担軽減につながるものと考えてやっておるということでございます。

       

      ○赤嶺委員

       沖縄の負担軽減について国会で問題になったのが一九七二年であります。五月十五日に本土復帰を果たしました。沖縄返還協定は、それに先立つ一九七一年秋の臨時国会、いわゆる沖縄国会で承認をされました。

       

       協定の中身が明らかになるにつれ、核も基地もない真の返還を求める声が沖縄では高まっていました。そうしたもとで、衆議院の特別委員会で、沖縄県選出の瀬長亀次郎、安里積千代両議員が翌日に質問をすることになっていたのを無視して、いわば沖縄の声を封じて、採決が強行されました。

      それはまた、当時の琉球政府の屋良朝苗主席が政府に宛てた建議書を携えて羽田空港におり立った、そのときであります。一九七一年十一月十七日のことです。

       

       その後の十一月二十四日、強行採決に抗議して、瀬長、安里両議員、当時の社会党と共産党が欠席するもとで、衆議院本会議が強行され、協定は可決、参議院に送付されました。

       

       そのとき、自民党、公明党、民社党の共同で沖縄に関する決議が提案され、可決をされています。どのような内容か、防衛大臣、御存じですか。

       

      ○稲田国務大臣 御指摘の決議につきましては、昭和四十六年十一月二十四日、衆議院本会議において、本土復帰後、沖縄の米軍基地を速やかに整理縮小することをその趣旨として決議され、佐藤総理からも、復帰後速やかに実現できるよう真剣に取り組む旨の答弁がなされたものと認識をしております。

       

      ○赤嶺委員

       そういう整理縮小、移設条件つきでないというところに注目してくださいよ。整理縮小なんですよね。

       

       当時その趣旨説明を行ったのは、浅井美幸議員であります。

       

       このように述べています。

       

       沖縄米軍基地の実態は、基地の中に沖縄があるといわれてきましたとおり、密度においては本土の二百数十倍にも達し、機能においても本土のそれとは比べものにならないものがあります。沖縄返還によっても、何ら米軍の機能を損することなく、米軍基地が継続使用されるとの印象を与えていることは、きわめて遺憾であります。

       

       平和で豊かな沖縄県の建設は、本土政府並びに国民に課せられた重大な責務であり、佐藤総理みずから、今国会施政方針演説に明らかにされたところであります。しかし、沖縄の重大関心事は、沖縄の米軍基地を整理縮小し、真に平和な県民生活を約束するための基本的な条件を整えるべきことであります。したがって、米軍基地のすみやかな縮小整理を明確にする措置を講じなければならないのであります。

       

       このように述べております。

       

       佐藤首相も、沖縄における米軍基地の整理縮小につきましては、復帰後すみやかに実現できるよう、現在からこの問題に真剣に取り組む方針であります。

      と述べました。

       

       沖縄の本土復帰に当たって、沖縄の米軍基地問題に臨む政府の基本姿勢は、占領下で構築された広大な基地を縮小し、平和な県民生活を保障することにあったはずです。

       

       今、政府は、県民の声を無視して、参議院選挙の直後から着陸帯の建設を強行しています。六つの着陸帯に取り囲まれることになる高江の住民は、オスプレイによる激しい騒音と墜落の恐怖にさらされることになります。

       

       このような計画は、沖縄の本土復帰に際して、政府が表明していた米軍基地問題に臨む基本姿勢と違うのではありませんか。復帰の原点が忘れ去られているのではありませんか。

       

      ○稲田国務大臣

       繰り返しになりますが、先ほど委員から御指摘になった北部訓練場の形成の過程も含め、沖縄県に戦後七十一年を経てなお大きな負担をいただいていることを重く受けとめており、この現状は是認できるものではないと思っております。負担軽減を図ることは政府の大きな責任で、一つ一つしっかりと改善していきます。北部訓練場の過半の返還も、その沖縄の負担軽減につながるものだと考えております。

       

       防衛省としては、北部訓練場の過半約四千ヘクタールの返還について、地元の国頭村や東村が、返還跡地の有効活用策として国立公園の指定、世界自然遺産への登録を目指すとして早期の返還を要望しており、私が沖縄に行った際にも、国頭村や東村の村長とお会いして、この返還について御理解をいただいていること、また、これが返還されれば、沖縄県内の米軍施設・区域の面積が約二割減少し、沖縄の負担軽減にも資することとなることを踏まえ、一日も早い返還の実現に向けて移設工事を着実に進めてきたところであり、これまでの進捗状況に鑑み、年内の返還を目指して進めてまいりますので、引き続き地元の皆様の御理解をいただきたいと考えております。

       

      ○赤嶺委員

       矛盾した態度をとっていることにまだ気づかれないようであります。

       

       いつかは必ず広大なこの基地がなくなるであろう、これが沖縄県民が復帰にかけた願いであります。そして、整理縮小という形でいつかはなくなっていくんだと。ところが、返還をすれば移設条件をつけて、次の基地の拡張、強化を図る。基地の恒久化ですよ。

       

       さらに、世界自然遺産条約を出しますけれども、世界自然遺産条約に最もふさわしいところが、今あなた方がオスプレイの着陸帯をつくっているその場所なんですよ。あの山原の森の中で自然度が一番高いところ、そういうところに着陸帯をつくって、世界自然遺産条約に登録を待ちわびていますとか、その世界自然遺産条約を審査する国際自然保護連合は日本政府に勧告しているんですよ、そこに着陸帯をつくるなということを。だから、認識を間違えないでください。

       

       改めて、SACO合意に至る日米交渉の経緯について伺います。

       

       そもそも政府は、交渉に当たって北部訓練場の無条件の返還を求める立場だったのか、それとも当初から移設を前提にして交渉に臨んだのか、どちらですか。

       

      ○前田政府参考人

       お答えいたします。政府といたしましては、沖縄に所在する米軍施設・区域に係る問題について、沖縄の県民の方々の御負担を可能な限り軽減し、国民全体で分かち合うべきであるという考えのもとで、二十年前でありますが、SACO最終報告の取りまとめに係る日米交渉におきまして、日米両政府は沖縄の県民の負担を軽減し、同時に、それにより日米同盟関係を強化するという立場で臨んだものであるというふうに認識をいたしております。

       

       北部訓練場につきましても、このような立場から日米交渉に臨んだ結果、ヘリコプター着陸帯を返還される区域から北部訓練場の残余の部分に移設すること等を条件に、過半の返還について日米間で意見の一致が見られたものというふうに認識をいたしております。

       

      ○赤嶺委員

       つまりは、北部訓練場の返還に当たっては移設を前提に交渉に臨んだ、そういうことですね。

       

      ○前田政府参考人

       お答えいたします。繰り返しになりますが、沖縄県民の負担の軽減を図っていくことの大事さ、これは当然認識をした上で、同時に、それにより日米同盟関係の強化をするという立場で臨んだものであるというふうに認識をいたしております。

       

      ○赤嶺委員

       つまり、だから移設を前提とする立場だったと、さきの答弁を確認しているわけですが、それでいいですね。

       

      ○前田政府参考人

       お答えいたします。SACOの最終報告の取りまとめにそういう姿勢で臨み、その結果、北部訓練場につきましては、ヘリコプター着陸帯を移設すること等を条件に、過半の返還について意見の一致が見られた、このように認識をしているところでございます。

       

      ○赤嶺委員

       交渉の最初から移設の条件つきを、日本側もそういう態度をとって臨んでいたということがわかります。

       

       ところが、返還区域にある着陸帯、四千ヘクタールと防衛大臣がおっしゃったその場所、そこは実際にはほとんど使われていないということが以前から地元ではよく言われていました。

       

       防衛大臣に確認をいたしますが、返還区域にある着陸帯の具体的な使用状況について、アメリカ側に説明を求め、確認した上でSACO最終報告に合意したんですか。

       

      ○前田政府参考人

       お答えいたします。SACO最終報告に至るまでの過程において、今先生がお尋ねの北部訓練場の返還区域にある着陸帯の具体的な活用状況、これをどのように確認したかというお尋ねでございますけれども、関連する資料が残っていないため、残念ながらお答えすることは困難でございます。

       

      ○赤嶺委員

       とても大事な問題ですよ。必要性のなくなった基地を日本側に返還しなければならないことは、日米地位協定にも書いております。

       

       地位協定二条三項は、「合衆国軍隊が使用する施設及び区域は、この協定の目的のため必要でなくなつたときは、いつでも、日本国に返還しなければならない。合衆国は、施設及び区域の必要性を前記の返還を目的としてたえず検討することに同意する。」これは地位協定の中に書かれているわけですよ、二条三項。

       

       二条二項には、いずれか一方の要請があるときは、施設・区域の提供に関する取り決めを再検討しなければならず、返還に合意できることも明記されています。

       

       日本政府には、返還区域にある着陸帯の具体的な使用状況について、アメリカ側に説明を求める地位協定上の根拠があります。当時、米側に説明を求めたんですか、求めなかったんですか。いかがですか。

       

      ○前田政府参考人

       お答えいたします。昨日、先生から御質問通告を受けまして、それに答えるべく資料の捜索等もいたしましたけれども、何分二十年前のことでございました。残念ながら関連する資料が残っておらず、本日の時点でお答えをすることは困難であることを御理解いただきたいと思います。

       

      ○赤嶺委員

       全く納得できる答弁ではありません。ここに来て、まさに二十年たった今日ですよ、米軍は何と言っているか。

       

       米軍自身は、返還区域は使用不可能な状態にあると認めています。米海兵隊の戦略展望二〇二五という文書の中に、北部訓練場の使用不可能な約五一%を日本政府に返還する一方、追加的に使用可能となる訓練場が整備され、有限な土地の最大限の活用が可能になる、このように述べています。

       

       政府は、仲里利信衆議院議員、沖縄四区の仲里議員が提出した質問主意書に対して、北部訓練場は、返還される部分も含め、実際に在日米軍によって使用されていると答弁をしています。返還区域にある着陸帯はどのくらいの頻度で使われていたんですか。

       

      ○深山政府参考人

       お答え申し上げます。まず、戦略展望二〇二五について御指摘がありましたが、この文書は米海兵隊内の一部局が作成した文書であると承知しておりまして、我が国政府としては逐一論評すべき文書ではないと考えております。

       

       その上で申し上げますと、これまで、北部訓練場は、返還される部分を含め、実際に米軍によって使用されてきておると認識しておるところでございます。

       

       例えば、オスプレイの普天間返還飛行場への配備に当たって平成二十四年四月に米側が作成した環境レビューにおきましては、返還される区域内にあるヘリパッドの一つであります、ファイヤーベース・ジョーンズと呼ばれているヘリパッドがございますが、これについて頻繁に使用されるとされており、オスプレイ導入後も年間一千二百六十回の運用が予定されておるというふうに記述されていると承知しておるところでございます。

       

       また、返還される部分については日米間で既に返還が合意されていることから、海兵隊がもはや使用できない訓練場であると考えることはあり得ることかと思っておるところでございます。

       

      ○赤嶺委員

       管理している海兵隊が、今、着陸帯一カ所の例を挙げました。向こうは七カ所あるわけでしょう。それについて 

      逐一言えますか、使っていたと。結局、使用不可能な場所だったということを海兵隊が言うことはあり得ると政府の側もおっしゃっている。

       

      米軍が使っていると言えば、もう全部そのままそれを認めていくような、うのみにしていくような政府の態度。

       

      では、あそこが日本の抑止力の維持のためにどのような使われ方をしているか。ベトナム戦争のときは、ジャングル訓練場として対ゲリラ訓練をして使われております。

       

       しかし、今、ことしの七月に、東村の村議の方々が米軍の案内で訓練場の調査に入っていますが、そこで、米軍は、現在の北部訓練場の役割について、麻薬の密輸、製造を取り押さえるために、ジャングル戦闘訓練が必要だと説明していたそうです。

       

       確かに、アメリカは、中南米からの麻薬の密輸に悩まされてきた歴史がありますから、米軍による対処が必要な場合もあると認識しているのかもしれません。九九年に閉鎖されるまでは、パナマに米軍のジャングル戦闘訓練施設があったとされています。

       

       しかし、麻薬の対策と日本の防衛との間に、一体どんな関係がありますか。政府は、米軍が具体的にどういう目的でジャングル戦闘訓練を行っているかについて、把握しておられますか。

       

      ○深山政府参考人 

       お答え申し上げます。米軍が北部訓練場で行っております訓練の一々の目的については我々は承知しておりませんけれども、ヘリの運用を初め、各種訓練が行われているものと承知しておるところでございます。

       

      ○赤嶺委員

       返還予定地は、全く使われていないところ、使用不能と言われたところ、そこに、返還をするからというアメリカの言い分をうのみにして、着陸帯を六つもつくって、編隊飛行もできるようにして、自然を破壊し、そして高江の住民の暮らしも破壊する、こんな移設条件つきのやり方が沖縄県民の負担軽減に資するという、防衛大臣、こういう答弁が県民の大きな怒りを呼んでいる。

       

       すぐに中止して、移設条件をつけないで返還すべきだということを強く申し上げて、質問を終わります。


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        • 2017.01.11 Wednesday
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